【印刷・DTP】色校正とは?なぜ行う必要があるのか。
色校正(いろこうせい)は、印刷やデザインの分野で使用される用語で、デザインや画像が印刷物上で正確な色で再現されるよう調整する作業のことを指します。
現場では「色校」と略して呼ばれることが多いです。
具体的にどのような作業を行うのか、
何のために行われるのかを以下に詳しく説明します。
目次
作業内容と必要な理由
どんな作業?
本番の印刷前に、試し印刷を行い、本番と近い状態で色や品質を確認します。
もし問題があれば、デザインデータを修正したり、印刷会社さんに指示を出して、本番印刷に進みます。
色校正は、カットや本の装丁作業が行われていない、未完成の状態で届きます。
なぜ必要?
ディスプレイ上で見る色やプリンターでの色は、実物と微妙に異なることがありますし、本番印刷も、使用する機器や印刷所によってわずかに異なります。
そのため、色を正確に再現するためには色校正が必要になります。
また、異なる印刷物が一貫して正しい色で印刷されるようにするためにも、色校正が欠かせません。
特に、企業のブランドカラーや製品は、印刷物によって色が違うとイメージを損なう可能性があるので、色が統一されていることが重要です。
印刷会社の技術者さんは、この色校正を基にして本番印刷時に色の調整を行います。
これにより、正確な色を再現し、色が統一された仕上がりとなります。
色校正のメリット
再印刷(刷り直し)の可能性が低くなるので安心。
結果的に経費削減になるかもしれない。
色校正を行うことで、仕上がりが予想と異なるトラブルを最小限に抑えることができるため、再印刷の可能性が低くなり、安心感が増します。
また、色校正には追加料金がかかりますが、再印刷が必要になる場合と比べると、時間と費用の両面で大幅な削減が期待されます。
実は、もう一回修正できる
色校正を行わない場合、デザインを提出した後で修正(再入稿)はできません。
しかし、色校正を行うと、提出後にも修正(再入稿)が可能になります。
目的は主に色の確認ですが、もし修正が必要な箇所を見つけた場合、修正を入れて再度提出できる余裕が生まれます。
また、画面やプリンターで見落とした部分も鮮明に確認できるため、詳細なチェックが可能です。
さらに、少し時間を置いて見直すことで細部のミスに気付きやすくなります。
これを当てにして最終確認を怠らないようにする必要がありますが、 実はこんなメリットも存在します。
色校正のデメリット
色校正には、いくつかのデメリットも考えられます。
まず一つは、色校正には追加料金が発生することです。
また、色校正のために数日の納期延長が生じます。
※図はイメージです。
追加料金について
色校正の印刷方法には多様な選択肢があり、それに応じて価格が変動するため、具体的な価格を、この場で断定することは難しいです。
主に以下の2つの印刷方法があります。
①本番と同じ印刷機、同じ紙で印刷(本機校正)
この方法は、実際の本番印刷と同じ条件で行うため、本番と同じ状態を確認したい場合
に有効です。ただし、費用が高くなります。
印刷は、紙によって色の出方が微妙に異なりますので、特殊な紙を使う場合は、特にこちらの方法がおすすめです。
②簡易的な印刷機で、本番と同じ紙か専用紙で印刷(簡易校正)
この方法は、手軽な手法を用いるため、コストを抑えることができます。
コスト削減が必要な場合や、微妙な違いが受け入れられる場合におすすめです。
色校正の印刷方法はさまざまで、印刷会社によって手法や価格、条件が異なります。
デザインや目的に最適な方法を選ぶことで、適切な色校正を行うことができます。
まとめ
色校正は、本番印刷前に行う試し印刷のことです。
実際の印刷に近い状態で、色や品質を確認・調整し、再印刷(刷り直し)になることを防ぐために、本番印刷を万全の状態で行うための作業です。
必ずしも必要ではありませんが、そのメリットは大きいです。
印刷部数が多い場合や特殊な紙を使用する場合、また色がデザインのイメージに大きく影響する場合は、特にリスクが大きいため、色校正をおすすめします。
印刷物の目的や予算に合わせて選択し、納品日に合わせてスケジュールを調整することが重要です。